キャンプ改造計画 -燃焼器具 後編- [ ┣ ストーブ・バーナー]
前回は、コールマンのLPガスツーバーナーから、マーベラスにバトンタッチしたところまで紹介しました。
ただし、いくらマーベラスの使い勝手が良かったとしても、調理の効率を考えると燃焼器具は複数あった方が吉。
更に、冬キャンプを考えると、早朝なんかは氷点下に下がることは十分あり得るし、CB缶だけってのはちょっと不安。
となると、浮上するのは液体燃料。
中でもホワイトガソリンは、ノーススターチューブマントルランタンで使ってるのでスムーズに移行できます。
ガソリンのシングルストーブもたくさん種類がありますが、条件の一つはとろ火ができる事。やっぱり、ご飯が炊けるようにはしておきたいですから。
あともう一つは、プレヒートが不要な事。
場合によってはカミサンが使うかもしれないので、ポンピングはともかく、プレヒートはカミサンにとってちょっとハードルが高そう。
お手軽でお手頃なシングルストーブと言えば、まずコールマンのスポーツスターII(508A)が頭に浮かんできます。
ところが、こいつの弱点はとろ火ができない事。
とろ火が可能シングルストーブの代表は、ボンベ分離型のMSR ドラゴンフライなのですが、これはプレヒートが必要。
プレヒート不要な分離型シングルストーブとしてはSOTOのMUKAストーブがあります。
が、これはとろ火が苦手で、また振り出しに戻り何時になってもあがらない(笑)
まぁ、ドラゴンフライにしてもMUKAストーブにしても、サブのストーブにするにはちと手が出ないお値段なんですけど。
そう考えると、CB缶だってスーパーとかゴールドのイソブタン系のものにすれば、氷点下でも時間を掛ければお湯ぐらい沸かせるだろうし、何より安いしと、イワタニのカセットガスジュニアバーナーでもいいかなと。
そんな折、ヤフオクウォッチしていると、中古の出物を発見。
結局、落札しちゃいました。
スポーツスター 508
「あれ?508はとろ火できないからダメって言ってたじゃん」と突っ込んだ人。
これは、現行モデルの508Aでなくて、
旧モデルの無印508なのでした。
所謂、2レバーモデルです。ちなみにこれは90年製。
2つめのレバーとなる、黒い頭のレバーによって、とろ火が可能に。
現行モデルの508Aではこのレバーが廃止され、赤レバーだけになってしまったので、細かな火力の調整が非常に困難になってます。
23年も前の個体ですが、タンク部は大きな汚れもなく綺麗。
流石にバーナー部は所々錆がありますが、十分許容範囲。
ただし、道具は使ってナンボ。
いくら見た目が良くたって、シングルストーブとして使えないんじゃ意味がない。
早速、燃料を入れてポンピング。
「あれ?ノーススターのポンピングと手ごたえがだいぶ違う・・・
音も、プスップスッいってるし」
とりあえず点火してみようと、チャッカマンの火を近づけて赤い燃料レバーを開いていくと、ノーススターのバルブを開けた時のような『シュー』って音がしない。
当然、点火もしません。
燃料キャップを開けてみると、エアーが抜ける音がしません。
どうやら、ポンピングしても、全く圧が掛かっていないようです。
一瞬、「不動作品掴んじゃったかな...」と思いましたが、それ程ショックは感じませんでした。
何故なら、この手の古い燃焼器具は構造が単純なので、パーツが入手できれば自力で何とかなりそうだから。
特に、508は定番商品なので、本体は生産終了していても、まだまだパーツは入手可能。
ポンピング不良という事は、ポンプカップの劣化が怪しそう。
で、508のポンプカップの入手先を探していると、『ポンピング時はポンプレバーを左に2回転半回す』なんて記事を発見。
「ん?固くて半周位しか回らなかったけどなぁ...」と怪訝に思いながら、ちょっと力を込めてポンプレバーを左に回すと、あら、回るじゃないの。
そこで、ポンプレバーを2回転半回してからポンピングすると、ノーススターで感じたことのある手応え。
そのまま25回ほどポンピングをして、燃料レバーを開けると無事点火しました。
とりあえず一安心。
とは言え、これまでどんなメンテをされてきたか分からないので、
リュブリカントを買ってきて、ポンプカップに2~3滴給油。
あっそうだ、ノーススターランタンにもそろそろ給油してあげないと。
それでは、炎の状態を確認してみましょう。
508がプレヒート不要だからといって、ガスのように『シューッ、カチッ、シュボー』ってワケにはいかず、ジェネレータが温まるまでは大なり小なりメラメラします。
ここで、ポンピングを追加し、炎が安定するのを待ちます。
レーバーMAX状態。
若干炎の先が赤く見えます。
炎の根元は綺麗な青なんですけどね。
バーナーボールの錆と反応しているのか、ジェネレータの状態ががイマイチなのか。
赤レバーだけで調整可能な弱火は、この程度。
上のMAXとほとんど変わんないですね。弱火どころか中火にもなりません。
ジェネレータの個体差かもしれませんが、赤レバーだけだと、事実上508は強火専用ストーブと言えるかも。
黒レバーを絞ると、ここまでとろ火可能に。
ここまでとろ火になれば、ご飯も炊けます。
何で、コールマンは2レバー辞めちゃったんでしょうかね。
低コストのスピードスターはともかく、フェザーストーブはピーク1としてそのまま黒レバー残せばヨカッタのに...
実は、ピカピカのマーベラスを買った時より、ちょっと古ぼけた508を手に入れた時の方がワクワクしてます。
やっぱり、道具として見た場合、お手軽簡単なガス燃焼器具より、手が掛かるけど使いこなし甲斐がある液燃器具の方が魅力的なんですね。オッサンとしては。
数年前のモノがあっという間に古臭くなり、壊れたら直して使うよりも、新しいの買っちゃった方が安くて高性能になる、デジタル機器全盛のこの現代・・・
数十年前の器具を、自分でメンテしながら使い続けられるなんて貴重なコト。
とりあえず、赤火対策の方は錆落とし等の掃除から、ちまちま手を入れてみようかな。
508のパーツ供給が終わるのが早いか、ワタシのキャンプ熱が終わるのが早いか、はたまたワタシの寿命が終わるのが早いか(笑)分かりませんが、コイツとは長い付き合いになりそうな気がします。
現行品の508Aでも一番下の写真ぐらいの火力に出来ますよ
by NO NAME (2014-11-09 02:57)
>NO NAMEさん
ググってみるととろ火できるって意見もあるし、強火一択って意見もありますよね。
たぶん、508Aはニードルとバルブが連動しているので、ニードルを上げて混合器を絞ろうとすると圧も下がるので消えちゃうんだと思います。
とろ火が可能な508Aは、元々圧が高いのかもしれません。
原理はどうあれ、NO NAMEさんのお持ちのとろ火可能な508A、大事にしてあげてくださいね。
by katsumushi (2014-11-09 18:13)