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胆石との戦い 手術当日編 [徒然日記]

入院初日編はこちら

12月25日
6時
「これから看護師がまわりますので患者様は横になってお待ちください」の院内放送(正確にはベッドのナースコールスピーカーから聞こえてくる)
しばらくすると看護師さんがきて体温と血圧の確認。平熱だったのでまずは一安心。

7時30分
部屋に食事が運ばれてくる。といっても当然私は今日から絶飲食なのでそれは1号さんの分。(相変わらず2号さんの食事はよくわからず)
「これで昨日の夕食とおあいこですね」と心の中でつぶやきながらも、昨日手術したばかりの1号さんがもう食べてることに疑問が。
ベッドサイドにあった入院ガイドの大腸ポリープのページを見てみると、【本日は水分のみお摂りいただけます。翌朝は7時30分に常食をお配りいたします。】の記載があった。
なるほど、1号さんは大腸ポリープの手術だったのね。

8時
面識のない先生がきて点滴をする。
「昨日は眠れなかったでしょう。でも眠てなくても手術には影響ないから大丈夫ですよ。」
と気と使ってもらうも
「いえ、ガッツリ寝ましたけど」と心の中でつぶやきながら相槌をうつ。
点滴はこれまた人生初体験。点滴の針がうまく刺さらなくて何回もやり直すなんてのを見聞きしていたので若干緊張したけれど、1回でサッと決まりホッとする。
ただやっぱり、異物が血管に入っている違和感はちと苦手。
点滴をしていると俄然入院患者感が出てきて、だんだんと緊張も高まってきた。
9時
1号さんは退院の準備。
入院の手引きでは9時30分退院って書いてあったけど、1号さんは「9時には退出できるよう準備してください。」と言われていた。
なるほど、9時30分に退院するんじゃなくて9時30分までには退院手続きして出て行けってことなのね。

12時30分
看護師さんが手術衣を持ってきて着替えさせて"もらう"(←ここ重要w)
当然ながら手術衣も初めてなんだけれど、これはちょっと面白い構造になっている。
袖まで含めて前後がボタンで留まっている。つまり、寝たまま服の前側だけぺろんと剥がせるワケ。
よくコントなんかでバッと服が取れてパンツ一丁になったりするのがあるけどそこで使えそうな感じ。
「13時頃また迎えにくるのでそれまでにズボンと下着を脱いでおいてください」と言って看護師さんは出て行った。
要するに、服脱げコントだったら放送事故になる状態(笑)

13時
「では手術室に行くので車椅子に乗ってください」と看護師さん再登場。
読んでいた胆嚢手術ブログでは歩いて手術室まで行くってあったので、てっきり私も歩いて行くもんだとばかり思っいたのに、まさかの車椅子。
そういえば、1号さんも元気そうだったのに車椅子に乗せられて手術室に行った。
この病院は手術室まで車椅子で行くのが決まりなんだろう。
人生初の車椅子も体験できたし、まーいいか(笑)
手術室に入る前に控室で待っていたカミサンと合流。
車椅子に乗って手術される格好を見てカミサンは「あらぁ」とひと言ニヤリ。
なんだかよくわからないけど、照れくさいような恥ずかしいような。
病室の貴重品入れの鍵をカミサンに預け手術室の前に到着。
カミサンに今生の別れを告げ(あれ、告げたっけ?)入室。

手術室では既に3人が待っていた。
一人は診察してくれた主治医の先生、もう一人は女性の看護師さん(いわゆるオペ看かな)。
最後の一人は紫の手術着の男性。『おぉ、ドクターXの城之内先生のと同じ色だ!やっぱりこの人が麻酔医なのかしら』
ちなみに主治医とオペ看さんの手術着はよく見る青緑色。

手術室の入口から手術台まで歩いて移動。一段高くなった手術台によじ登り仰向けに寝る。
おっ、背中がほんのり暖かい。と思ったところでパリッと手術着の前を剥がされ前半分だけスッポンポンに。
すぐさま布を被され、手首と足首に拘束具をつけられる。グーにした右手には手袋を被せられ、左手の指には酸素計のクリップを挟まれる。
胸に心電図が付けられると、医療ドラマの手術シーンそのまんまの『ピッピッピッ』という音がして否応にも緊張が高まる。

ふと気がつくと手術室内には軽やかなクラシックの曲が流れている。
すると曲に合わせて口ずさみながら第4の男が現れた。
他の人の応対からすると、どうやらこの人が執刀医らしい。
「え〜、主治医の先生が執刀するんじゃないの〜?」と心の中で叫ぶ。
(手術の承諾書先生の名前まで見ないで署名して出しちゃったけど、もしかしたら執刀医の先生の名前が書いてあったのかも)
「(CT画像の胆石を見て)大きいねぇ。じゃ、かつむし(当然ながら実際は本名)さん、ササッと寝て始めましょうか」
とかなり軽い感じ。まぁ、それだけ経験豊富なんだろうと逆に安心したりも。
第4の男が
「まず酸素から入れますね」
とマスクを着けてきた。『あれ、この段取りは麻酔医さんがやるんじゃないんだ?』と思っていると
「次に麻酔入れます」
の声の後ちょっとして意識がなくなり...

キャンプか何かの夢を見ているところで
「かつむしさん、終わりましたよ〜」
と起こされる。
手術体験記とかでは
【全身麻酔は意識が無くなったと思ったら終わりましたと起こされて、まるで自分だけ時間が止まったような不思議な感覚】
と書いてあったんだけど、普通に夢を見て普通に1時間寝ていた感じ、全然不思議な感覚じゃない。
ちょっと肩透かしを喰らった感じで残念だなぁ。
「かつむしさん、大きいの取れましたよ」
と第4の男が瓶に入った物体を見せてくれましたが、こちとら覚醒開けでまだぼんやりしているし、そもそも眼鏡かけてないからよく見えないしで、胆石なんてどうでもよくなってて「はぁ」と適当に相槌。
「それと、やっぱり少し胆嚢の周りに炎症があったね。」
そっか、炎症が進んで胆嚢と周りの臓器にが癒着しちゃってたりすると開腹手術になるらしいし、やっぱり酷くなる前に手術しておいて正解だったなぁ。

手術台からストレッチャーに「せえのせっ!」と移し替えられ(これも救命救急シーンでよく見るね)回復室に運ばれる。
ちなみに、回復室というのは手術後自力で歩けるようになるまで過ごす部屋で、集中治療室ほどの設備はないけれどナースステーションに直結していて何かあったらすぐ対応してもらえる。
手術室入口で待っていたカミサンと再会。
「胆石見せてもらったよ大きかったね」とまた胆石の話(苦笑)。まぁ、生胆石なんてそうそう見られるもんじゃないしね。
そんな胆石を見たいという奇特な方はここをクリック ※ちょっとグロいです

回復室でカミサンと少し過ごす。といっても命に関わるような手術じゃなかったし、麻酔のせいか私自身よくわからないめんどくさいモードに入っていて、特に話すこともなかったので鍵だけ返してもらいカミサンに家に帰ってもらう。

一人になり(この時点で回復室には私の他に2人いる感じだが、起き上がれない上にカーテンで仕切られているので周りの状況がよくわからない)、麻酔からの覚醒が進んでくると徐々に痛みも増してくるが我慢できないほどではない。
傷口よりも気になるのが、お○ん○んに仕込まれた尿道カテーテルの違和感。
そして、ちょっと体勢を変えたときや、お○ん○んに力を入れたときの痛みは傷口を上回るという破壊力。
しばらくすると看護師さんが
「どうですか、痛みますか?」
「はい(尿道が)」
「それじゃ痛み止めの点滴入れますね」
「ありがとうございます(尿道が)」

痛みが治まってくると次に不快に感じたのが喉の渇き。
昔体験ダイビングやったときも異様に喉が渇いたことがあって、インストラクターさんに聞いてみると酸素ボンベの空気は乾燥しているからそれを吸っていると喉が渇くと教えてもらった。
今も酸素マスクしてるからそのせいかもしれない。唇もパリパリになってるし喉もイガイガする。
体温と血圧を計りにきた看護師さんに
「喉が渇いたんですけど水飲めますか?」と聞くと
「誤飲性肺炎を起こす可能性があるので水は飲めないんですが、うがいなら大丈夫です」
なるほど、ここでうがいが登場するワケね。
入院セットに入っていた吸い飲みで看護師さんに水を含ませてもらい、練習通りにうがいをすると少し喉の渇きが癒される。
ありがとう、うがい!ありがとう吸い飲み!

回復室に持ち込めるものには制限があって携帯電話類は禁止。
最初に預けた手術セットと(名前入り)タオル類、歯ブラシ、カップだけ。
携帯ラジオとイヤホンはいいみたいだけど、今どき携帯ラジオ持ってないしねぇ。

で、実はここからが真の手術の苦難の幕開け。
ここからは翌朝までは時間表記なし。
なぜなら、上に書いたように回復室には時間がわかるものを持ち込んでいないから。
 右腕に血圧計
 左手に点滴
 左指に酸素計クリップ
 胸に心電図
 口に酸素マスク
 両足には血栓防止用のマッサージポンプ
 お○ん○んには尿道カテーテル
と、ほぼ身動きが取れない状態。
それぞれのコードやチューブには余裕があるので物理的に全く動けないわけではないけれど、体勢を変えようとするだけで傷口と尿道に痛みが出るのでほぼ仰向け不動の状態。
やることと言ったら、目を開けて天井を見てぼ~っとしているか、目を閉じて寝るか、妄想しているか。
やることないから天井のシミを数えてたなんていう暇ネタも、眼鏡は手術室に入る前に病室に置いてきたからそもそも天井がよく見えないからできない(笑)
手術前の午前中、何度かウトウトしかけたけれど『ここで寝ちゃうと夜ねれなくなるから...』と我慢していた。
手術が終わったのが多分15時頃で、26日の朝6時まで15時間。普段の睡眠時間が6時間だから流石にそんなには寝れないよなぁ。
そんなことを考えてると看護師さんが体温と血圧を測りにきたので、またうがいをお願いする。(ちなみに、うがい直後は潤っても基本喉は常に渇いた状態)
とりあえず目をつぶって寝てみる・・・寝れない。
買ったばかりで箱に入ったままのおNEWのテントの設営を頭の中でシミュレーションしてみる・・・設営が簡単なテントなのですぐ張れてしまう(笑)
それでもだんだんまどろんできて意識が遠く・・・と思うと目が覚める。

男性看護師さん(どうやらこの病院で唯一の男性看護師さんだそうな)が「ティッシュはここに捨ててください」と言って裏がマグネットになった屑入れをベッドの柵に貼り付けていった。
が、肘に当たって邪魔だったので外して柵の外向きに付け替えたところで、ナースセンターからナースコールのメロディが流れてきた。
すると
「かつむしさん、どうされましたか~」
と私のスピーカーから看護師さんの声が。
「(あっ、屑入れ外したとき間違って押しちゃったかな?)すみません、何でもないです...」
私のナースコールデビューは誤操作だった(笑)
ちなみに、ドライブスルーとかの顔が見えないスピーカーと話たりするのが苦手なので、ナースコールもよほどのことがないと使わないと決めていたのに(涙)

うとうとしたり目が覚めたりを繰り返しているうちに、隣の隣のベッド辺りから
「ぐぉ~ぐぉ~・・・うぅぅ、ハァハァ・・・、ぐぉ~ぐぉ」
といびきをかきながら痛みで唸っているような声が聞こえてきた。
『え、この人大丈夫?相当痛いんじゃないの?看護師さん呼んであげた方がいいかしら?』
なんて心配していると、体温・血圧測りにきた看護師さんが気づいた様子。
「大丈夫ですか?」
「あ、大丈夫ですよ」
「なんか苦しそうでしたけど」
「あぁ、いびきですかねぇ」
たぶんこの方はいわゆる睡眠時無呼吸症候群ってやつなのだろう。
とりあえず大丈夫そうで安心したけど、この人のいびきと唸りという新たな安眠問題が出現。
あいにく虎の子の耳栓は病室に置いてきてしまったので使えない。
まどろむ→「ぐぉ~」→ハッとする→まどろむを何度も繰り返したところで、21時の消灯の院内放送。
『やっと21時か、あと9時間もあるのか...もう眠くないよぉ...』
と思っていると看護師さんがきて
「消灯時間になりましたけど、眠れないようなら睡眠薬ありますよ」
と、ありがたいお言葉。
「く、ください」
喉まで出かかった言葉を飲み込み
「まだ、大丈夫です」
と、ひとまず辞退する。
起床時間の6時まであと9時間。睡眠薬もらっても9時間も寝られる保証はないし、もう少し睡眠薬無しで頑張ってみる作戦。
「ぐぉ~」と格闘すること1時間、22時の側灯消灯の放送とともに看護師さんが点滴を交換しにやってきた。
もう潮時かなと思い睡眠薬をお願いすることに。
睡眠薬の点滴を入れてもらってしばらくすると、うだうだすることなくすぅーっと眠りに落ちていった。


はっ、と目が覚める。
右側から光が差し込んできてるような気がする。もう朝か。
と思ったけれど、この季節明るいってことは6時過ぎのはずだけど6時の院内放送は聞いてない(寝ていても絶対起きる音量)し、そもそもこの部屋には窓はない。
多分これは非常口の常夜灯の明かりだろう。
はて、今は何時なのだろうか?5時なのか?3時なのか?もしかしてまだ日付けが変わっていないのか?
もう睡眠薬はもらえないだろうし、あとは自力で朝までなんとかするしかない。
と、体感小一時間ほどうだうだしていたところで6時の放送が流れてきた...


手術後1日目編に続く


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